月見。それは平安時代に唐から貴族へ伝わり、やがて庶民へと広まっていったとされる、
日本の伝統的な文化だ。
今や月見=ハンバーガーのイメージが強くなっているかもしれないが、やはり当館ならではの
和の空間で皆さまに月見を楽しんでもらいたい、そんな思いで今回のイベントを開催を決定した。
日程については、旧暦と新暦の違いや、月の満ち欠けの都合もあり、中秋の名月が必ずしも満月になるとは限らないのであるが、今年は中秋の名月=満月となったので9月10日(土曜日)がちょうど良いのでは?となった。
タイトルは「お月見liveナイト」。伝統的な和楽器で「月」や「秋」をテーマにした楽曲を演奏するライブにした。
ゆったりと演奏を聴きながら、お月見もしていただきたいと思ったものの…
満月、どこから見えるんだ?問題に。
当館の庭園越しに見えるのか否か。もしくは、館内のどこかの場所からは見えるのか?
そもそも、どっちに月は出るのか…。思い返してみても、いつもは月が出る前には閉館しているので、月の印象はあまりない。
ただ、先月「兵庫津”怖いナイト”ミュージアム」を開催した時に、帰り道に大きく怪しげな月が見えたことを思い出し、同じ時間帯なので、館内からはひょっとしたら見えるかもしれないと思った。
万が一の可能性にかけて迎えた当日。ひとまず、県庁舎内をお月見っぽくコーディネートして、皆さまをお出迎え。
取次役所内 県庁舎入り口にアケビの手ぬぐい 県庁舎床の間のお月見飾り 遠くから見るとこんな感じ
日の入り時刻は、18時15分頃。開演は19時だったが、まだ辺りは明るかった。
仮牢近くから 夕焼けが綺麗。満月も期待できそう!?
開演10分前には満席に。一曲目は「虫の武蔵野」。演奏が始まると、徐々に暗くなってきた。
当日のプログラム表紙 当日のプログラム裏 庭もライティング 演奏がスタート
尺八の迫力ある独奏、そして邦楽の楽曲、楽器等のお話を漫談のような感じで。
吹きながら歩いて登場 漫談のような邦楽トークゾーンの様子
だんだんと、暗くなってくる庭を眺めつつ、秋や虫をテーマにした和の調べにうっとりし、最後の曲まで聞き入っていた観客のみなさま。
まだ聞いていたいとばかりに、アンコールのコールが沸き上がりました。
当初4曲の予定でしたが、アンコール1曲を演奏し、最後は一本締めで終了しました。
肝心の満月ですが、終了する頃にようやく、県庁舎縁側から見えるくらいに上がっていました。
演奏中には月を見ることは叶いませんでしたが、終演後に庭のあたりから幻想的な満月を眺め、ため息を漏らしながら写真を撮影するお客さまも多く、満足げに帰って行かれました。